JAXA相模原キャンパスは日本の宇宙探査の重要拠点!無料で見学できる展示とMMXへの期待

定年後の暮らし

2026年10月20日午前4時41分ごろ、火星衛星探査機「MMX」を搭載したH3ロケット10号機が、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられました。

ロケットは計画に沿って飛行し、午前5時53分ごろ、MMXを予定の軌道で正常に分離。打ち上げは成功しました。

H3ロケットは6号機、9号機に続いて3機連続の打ち上げ成功となりました。

MMXが目指すのは、火星の周りを回る衛星「フォボス」です。約5年をかけてフォボスの表面から砂や岩石などの試料を採取し、2031年に地球へ持ち帰る計画です。

火星圏の天体から採取した試料を地球へ持ち帰ることができれば、世界初の成果となります。

今回の探査は、アメリカのNASAなども参加する国際プロジェクトですが、中心となって進めているのは日本のJAXAです。

秒速5キロメートルという速さは、時速に直すと約1万8,000キロメートル。想像もつかないような速度で宇宙へ向かうロケットには、やはりロマンがありますね。

そして、この壮大な宇宙探査を支える重要な研究拠点の一つが、神奈川県相模原市にある「JAXA相模原キャンパス」です。

相模原キャンパスは、単に宇宙探査の展示が見られる場所ではありません。日本の宇宙科学研究と深宇宙探査を支える、JAXAの重要な研究開発拠点です。

私は相模原市の「JAXA応援団」に入っています。

今回、相模原市立博物館で開催されるMMX打ち上げパブリックビューイングにも応募しましたが、残念ながら抽選に外れてしまいました。

地元で打ち上げの瞬間を応援できなかったのは残念ですが、MMXの挑戦はまだ始まったばかりです。

そこで今回は、以前訪れたJAXA相模原キャンパスの様子を、実際に撮影した写真とともに紹介します。

相模原キャンパスがどのような役割を担っているのか、一般の人が見学できる施設には何があるのか、そして実際に訪れて印象に残った展示についてお伝えしたいと思います。

JAXA相模原キャンパスは日本の宇宙探査を支える重要拠点

JAXAには、ロケットの打ち上げを行う種子島宇宙センターや、人工衛星の開発・運用などを担う筑波宇宙センターなど、全国にさまざまな施設があります。

その中で、相模原キャンパスは宇宙科学研究と深宇宙探査を担う重要な拠点です。

深宇宙探査とは、地球の周りだけでなく、月や惑星、小惑星など、遠く離れた天体を調べる宇宙探査のことです。

相模原キャンパスには宇宙科学研究所(ISAS)があり、宇宙の成り立ちを調べる研究や、探査機を使って太陽系の謎を解き明かす研究が進められています。

日本の宇宙探査を代表する「はやぶさ」「はやぶさ2」、月面着陸に成功した「SLIM」、そして火星衛星探査計画「MMX」なども、この研究拠点と深く関わっています。

宇宙探査では、ロケットが打ち上がる瞬間が大きく報道されます。

しかし、探査機を目的の天体へ送り届け、観測を行い、地球へ情報を届けるためには、長い年月にわたる研究開発や運用が欠かせません。

相模原キャンパスは、そうした宇宙探査の頭脳ともいえる役割を担っている場所です。

MMXはどんな宇宙探査計画なのか

今回打ち上げられたMMXは、「Martian Moons eXploration」の略で、日本語では「火星衛星探査計画」と呼ばれています。

火星には「フォボス」と「ダイモス」という二つの衛星があります。

地球の月と同じように火星の周りを回っていますが、どのようにして生まれたのかについては、まだ分かっていないことがあります。

MMXは、その謎を解き明かすために火星の衛星を詳しく調べる探査計画です。

特に大きな目標が、フォボスの表面から試料を採取して地球へ持ち帰ることです。

地球へ持ち帰った試料を詳しく分析することで、火星の衛星の成り立ちや、太陽系が形成された過程について、新しい手がかりが得られると期待されています。

地球への帰還は2031年が予定されています。

打ち上げが成功しても、そこで終わりではありません。これから火星へ向かい、衛星の観測や試料採取など、難しいミッションが続きます。

相模原市に、このような宇宙探査を支える研究拠点があることを、改めて身近に感じています。

JAXA相模原キャンパスには無料で見学できる施設がある

相模原キャンパスには、一般の人が無料で見学できる「宇宙科学探査交流棟」があります。

研究施設と聞くと、専門家しか入れないような印象がありますが、この交流棟では、宇宙探査に関する展示を間近で見ることができます。

展示されているのは、探査機の実物大模型や試験に使われた機器、宇宙科学研究に関する資料などです。

ニュースで見たことのある探査機でも、実際の大きさや構造を見ると、印象が変わります。

また、それぞれの展示には研究や開発の背景があり、宇宙探査がどのような技術によって支えられているのかを知ることができます。

私も実際に訪れましたが、宇宙に詳しくない方でも興味がわく施設だと思います。

ここからは、特に紹介したい展示を取り上げます。

SLIMの実物大モデルで月面着陸の技術を知る

まず紹介したいのが、小型月着陸実証機「SLIM」の実物大モデルです。

SLIMは2024年1月、日本で初めて月面への軟着陸に成功した探査機です。

この探査機で注目されたのは、目標とする地点に高い精度で着陸する「ピンポイント着陸」の技術でした。

これまでの月面探査では、安全に着陸できる広い場所を選ぶ必要がありました。

しかし、今後の探査では、科学的に調べたい場所の近くへ正確に着陸することが重要になります。

月面には大きな岩や斜面、クレーターなどがあるため、狙った場所へ安全に降りることは簡単ではありません。

SLIMは、こうした課題に挑んだ日本の探査機です。

交流棟では、その実物大モデルを間近で見ることができます。

機体の形や太陽電池の配置など、写真だけでは分かりにくい部分も観察できます。

実物大の模型を見ることで、月面着陸というニュースの向こう側にある技術を、少し身近に感じられました。

はやぶさ2の関係者による直筆サイン

次に紹介したいのが、「はやぶさ2」のプロジェクト関係者による直筆サイン入りパネルです。

はやぶさ2は、小惑星リュウグウへ向かい、その表面から採取した試料を2020年に地球へ届けました。

小惑星から試料を持ち帰ることは、非常に難しいミッションです。

遠く離れた天体へ探査機を送り、目的の場所へ近づき、試料を採取し、再び地球へ届けなければなりません。

しかも、探査機との通信には時間がかかるため、地上からすべてをリアルタイムで操作できるわけではありません。

そのような難しい探査を成功させるためには、機体の開発だけでなく、正確な運用やさまざまな状況を想定した準備が必要です。

展示されているパネルには、プロジェクトマネージャを務めた津田雄一さんや、研究者の吉川真さんらのサインがあります。

宇宙探査というと、どうしてもロケットや探査機に注目しがちです。

しかし、その裏には多くの研究者や技術者の仕事があります。

こうした展示を見ると、一つのミッションが多くの人の力によって支えられていることを感じます。

頭上に広がるIKAROSの大きな帆

館内で上を見上げると、ひときわ目を引くのが「IKAROS(イカロス)」の大きな帆です。

IKAROSは、太陽の光が物体を押す力を利用して宇宙を進む「ソーラーセイル」の技術を実証した宇宙機です。

太陽の光には、物体をわずかに押す力があります。

普段の生活では感じることができないほど小さな力ですが、宇宙空間では、その力を利用して進むことができます。

IKAROSは、この仕組みを使った航行技術を実証しました。

太陽の光を利用して宇宙を進むという発想は、何とも不思議です。

館内には、観測ロケット「S-520」の実物大展示などもあります。

展示物を下から見上げると、写真では伝わりにくい大きさを感じられます。

宇宙探査には、私たちが普段の生活では想像しにくい技術が数多く使われているのだと分かります。

火星の空を飛ぶ「火星飛行機」

もう一つ興味深い展示が「火星飛行機」の模型です。

火星には地球と同じように大気がありますが、その密度は非常に低く、飛行機を飛ばすには難しい環境です。

地球上の飛行機は、翼の周りを流れる空気によって揚力を得て飛んでいます。

しかし、火星では空気が薄いため、同じ仕組みで十分な揚力を得ることが難しくなります。

そのため、火星で飛行するための翼の形やプロペラ、機体の軽量化など、さまざまな研究が必要になります。

宇宙探査というと、地表に着陸する探査機や、地面を走る探査車を思い浮かべます。

しかし、空を飛ぶことができれば、地上からは近づきにくい場所を調べる可能性も広がります。

展示されている模型を見ると、将来の宇宙探査には、まだまだ新しい方法があるのだと感じます。

特に印象に残った模擬月面走行実験場

以前、相模原キャンパスを見学した際、特に印象に残った場所があります。

それが「模擬月面走行実験場」です。

ガラス越しに見せていただいた場所には、月面や惑星の地表を模した砂の実験場がありました。

そこでは、探査車が砂の上を走行するための試験が行われていました。

地球上では普通に走れる車でも、月面や惑星では同じように走れるとは限りません。

砂に車輪が埋まったり、空転したり、障害物を乗り越えられなかったりする可能性があります。

また、地球から遠く離れた天体では、探査車に問題が起きても、人がすぐに修理に行くことはできません。

そのため、実際の環境に近い条件を地上で再現し、何度も試験を繰り返すことが重要になります。

ロケットの打ち上げや探査機の着陸はニュースになりますが、その成功を支えているのは、こうした地道な研究や試行錯誤の積み重ねなのでしょう。

この実験場を見たことは、相模原キャンパスでの見学の中でも印象に残っています。

なお、実験施設は通常の展示エリアとは異なり、いつでも自由に見学できるわけではありません。

JAXA相模原キャンパスへのアクセスと見学情報

これから訪れる方のために、アクセス方法と見学情報をまとめました。

項目内容
施設名JAXA相模原キャンパス 宇宙科学探査交流棟
所在地神奈川県相模原市中央区由野台3-1-1
最寄り駅JR横浜線「淵野辺駅」
徒歩淵野辺駅南口から約20分
入館料無料
通常開館時間10:00〜17:00
最終入館16:45
個人見学原則として予約不要

淵野辺駅から歩いて向かう場合は、南口からのルートになります。

駅からキャンパスへ向かう道には、宇宙をテーマにした装飾などがあり、散歩をしながら楽しめる場所もあります。

また、キャンパスの外周フェンス沿いにも、歴代の探査機や太陽系などに関する解説パネルが設置されています。

建物の中だけでなく、周辺を歩いてみるのもよいと思います。

徒歩での移動が大変な場合は、淵野辺駅南口からバスを利用し、「市立博物館前」で下車する方法もあります。

ただし、開館日や見学できる施設、イベントなどは変更されることがあります。

訪問前には、JAXAの公式サイトで最新の案内を確認してください。

公式サイト:https://www.isas.jaxa.jp/visit/
宇宙科学探査交流棟では、日本の宇宙探査を支える研究や技術の一端に触れることができます。相模原市を訪れる機会があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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